4月10日付の大分合同新聞の夕刊の「旬の人」コーナーに、広島市の中本忠子さんについての記事が掲載されていました。中本さんのことを初めて知ったのがNHKスペシャル「ばっちゃん〜子供たちが立ち直る場所〜」でした。元保護司の中本さんは毎日、市営住宅の自宅で多い時には3 升の米を炊き、小学生から21歳までの少年たち3〜10人に無償で食事を提供しています。中本さんは、子供たちに食事を食べさせるため休みも取らずに台所に立ち続けます。「空腹」が少年たちを非行に走らせてしまうと分かっていたからです。私も少年院で勤務していた際の経験でわかることがあります。少年院に入ってくる少年の食生活についてアンケートを取ったことがありますが、彼らは家庭で普通の食事を採るという経験が非常に少ないのです。一日一食でスナック菓子やカップ麺、良くてコンビニ弁当という回答が多いことに驚きました。また、まともに箸が持てなかったり、肘を着くのは当たり前で体育座りや片膝立てて食べる姿勢がほとんどです。これは、親が子供の食べる姿を見ていないためです。それくらい親の手が入っていないのです。彼らの非行を責めることは簡単ですが、彼らが子供として当然に受けるべきものについて、与えられない状況を作った大人たちも責任を負うべきではないでしょうか。NHKスペシャルで、インタビュアがどうしてこんなに大変なのに続けているんですか、というような質問をします。中本さんは、「私にもわからんよーね」と言い続けます。でも最後に「子供に本気で「助けてくれぇ」言われたことにない人にはわからんじょろうね。」との言葉は真実だと感じました。
NPO「食べて語ろう会」 (公財)社会貢献支援財団の中本さん紹介動画
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